執事的な同居人
麗華さんはなんでカズさんのこと気づいたんだろう?
ふとそう思ったが、そういえばホストの顔写真と名前が記載されてある冊子のような物が机に用意されていた。
その中に今日はカズさんの写真があったんだ。
今日だけ限定ホストだもんね。
「お兄ちゃん!!!」
「っ……」
麗華さんに飛びつかれて、その反動で一歩後ろに下がるも、その手はしっかりと麗華さんを受け止めてた。
「なんで連絡返してくれないの?」
「……別に返す必要ないかと思って」
「必要あるよ!!……連絡でしかお兄ちゃんと繋がれないんだもん。」
「…………………」
涼さんと私はお互いに目を合わせて首を傾げる。
兄妹なのに、連絡でしか繋がれないって?
(一緒に暮らしてないってことなのかな)
「今日はお兄ちゃんにする」
「えっ、」
「喋りたいこと沢山あるの!ほら!入って!」
戸惑うカズさんを部屋の中へと引っ張る麗華さんは
「あれ?あなた…」
やっと私の存在に気付いてくれた。
「なんでここに?」
「……麗華に用があるらしいよ」
「ふぅん?まあ、中で聞くわね」
「おいで」そう言われ、少し緊張している身体を落ち着かせるために小さく息を吐いた。