執事的な同居人





颯太さんの静かな寝息が額にかかる。




近くにある颯太さんの顔。その近さに少しドキッとした。




背中にまわされた手が




寝ているにもかかわらず力強くて




身動きができないくらい密接している。




「そ、うた、さん」




軽く名前を呼ぶ。




「スー…………」




返事はない。
返ってくるのは寝息だけ。




「起きない………」




出会って二日。




なのになんでこんな状況になってるんだろうか。




目の前でスヤスヤと眠る颯太さん。




背中にまわされた手。




意外にもポカポカと温かくて




なんだか少し心地よくも感じる…。




トロンと瞼が重くなり




眠い…。




ゆっくりと目を閉じた。


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