執事的な同居人
「紀恵さんに助けられるなんて想像もしていませんでしたが」
「私も助けに行く事になるなんて思ってなかったよ…」
「それもそうですね」
クスッと笑う。
「俺も、もう少し警戒心を持たないといけませんね。」
「ほんとそれだよ!しかも女の人に連れ去られるなんてさっ」
しかもあの時の颯太さんちょっとはだけていたし…
あんな事やこんな事されたんじゃ?
「ですが、」
ジッとその瞳に見られる私。
「紀恵さんも警戒心持って下さいね」
「私はちゃんと持ってるし」
「本当ですか?
それにしては、お一人でホストクラブに行かれたのでしょう?あの辺りがどれほど危険な場所かわかってますか?」
「だ、だって!!あそこに行けば颯太さんの居場所分かるかと思って…」
「相手はホストですよ?
騙すことも、嘘をつくことも
上手いホストは山ほどいる。
もし、教えられた場所に俺がいなくて
違う男がいたらどうします?
逃げれませんよ。確実に」
なんで怒られているんだろう。
こうやって今ここに颯太さんがいるのに
私が行動していなかったら、この場に颯太さんは帰って来れていないのに……
「私はただ…颯太さんに会いたくて…それで……」
怒るよりも、
もっと褒めてくれたっていいのに。