執事的な同居人
まだまだ子供の私は理解できない部分も沢山あると思うから、分かりやすく教えてほしい。
あなたのことを理解したいの。
もう分からないことはないように。
「俺のこと、きっと軽蔑しますよ」
「しないよ」
「何を根拠に」
クスリと笑う彼は
少し緊張の目をしている。
しないよ。大丈夫。
だって私は
「気がないって言われても、好きと思う気持ちは変わらなかったんだから」
その気がないならその気にさせる。
私の気持ちはそれくらいの勢いなのだから。
「…………っあ。」
勢いのまま言ってしまったけど、わたし今、告白みたいなこと言ったよね?
いや、でも、もう伝えてる事だし…
意識してしまうと身体がポッと熱くなった。
「気がないって……」
颯太さんは小さく呟くと、ハッとした顔をする。
「いや、それよりも、
あなたは彼氏がいるんじゃ…?」
「彼氏?……誰のこと?」
今までそんな人いたことがないんですけど。
「あの方ですよ、…佐々野海。」
颯太さんの口からその名前が出てきてビックリした。
えっ、なんで颯太さんがカイの名前知ってるの?
……いやいやそれよりも!!
「違うよ!!!なんでそうなるの!?
カイは友達!
こ、告白はされたけど……ちゃんと断ったし…」
チラリと颯太さんの顔を伺えば
驚いた表情をしているのに、
どこか安堵の表情も見えていて
ふわりと優しい笑みを見せたかと思えば
「じゃあ、もう躊躇わなくていいんですね」
「っ、えっ…そ、颯太さん…?」
私の手をゆるく掴んで
その手を口元に持っていくと
「………っ」
手の甲に
チュッと優しくキスをした。