執事的な同居人
そんな彼の首元には、蚊に刺されたのか赤くなっている部分が。
(この時期に蚊なんているっけ)
なんて、違和感を覚える。
「………夜の仕事はあるの?」
「いいえ、ありませんよ」
「本当に!?」
今まで隠してきた事をもう隠す必要もない。
素直に嬉しくてそれを顔に出せば
「っ! なんっ…!?」
チュッと軽く触れるだけのキス。
「あっ。つい」
そう言う彼は悪気は無いという顔。
「お父さんには内緒にして下さいね」
「い、言うわけないじゃん!!!」
言ったら速攻同居解消とかされそうだし……それだけは嫌だ。
シーっと口元に人差し指を当てて、ナイショのポーズをする。
……そんな姿もカッコいい。