執事的な同居人





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「今って蚊とかいないよね?」






休み時間。



窓を開けて外を眺めながら友達にそう言う。





「え?なに急に~」


「いや、ちょっと気になっちゃって。」






颯太さんの首元にあった赤いアザのようなもの。蚊に刺されたようにしてはちょっと違うような…






「この辺りのアザってさ、ダニか何かかな?」





指でその場所を示していれば









「なになに?なんの話~?」





私の顔を覗き込むようにしてやってきた男。





「……カイとは喋ってない」


「ひどいな~ 相談に乗ってあげようとしたんじゃん」





ニコニコと微笑むコイツ。



友達が「カイくんだー!」と黄色い声をあげていて、それに対してカイは「ども~」と軽く挨拶を返していた。






「それで?なんの話?」


「…………………」





ウザい。そんな顔していたのに






「首元のアザの話だよ~」


「あっ!ちょっと!」





カイと喋りたいからか、友達は簡単に話の内容を教えてしまった。………この野郎。


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