執事的な同居人
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「あ、颯太!おっす~」
「おう」
約束通り、少し残業をしてからカズの代わりとして夜の世界へとやってきた。
「助かるわ~ でも接客の方がもっと助か」
「やらない。」
「そうだよなぁー…」
ガックリと項垂れる涼だけど、
もう絶対やらねぇよ。
「カズ体調不良だって?」
エプロンを付けながらチラリと涼に視線を送る。
「そーなんだよー。電話で連絡くれたんだけど、声も相当枯れてたし喉からきてるんじゃね?病院行けって言ってるのに気合いで治しますとか言うしさ~」
「倒れてないといいけど」そう言う涼はシフト表に視線をあてていて、どうやら明日からのカズの代わりを探しているらしい。
(確かアイツ……)
一人暮らしって言ってなかったっけ。
「なあ颯太!明日は接客し」
「やらない。」
「だよなぁー。明日接客の方も欠員出てるんだよ~。確かデートがあるとか言っててさ」
「シフト出したあとの変更は受け付けないって言っとけ。てか全員に言え。」
そうやって簡単に休ませるから欠員が出んだよ。