執事的な同居人
「ちょっと中入らせて」
「はい…どうぞ、」
フラフラと歩くカズを支えて
布団のある場所へと連れていく。
「食欲ないとしてもちょっとだけ食べといて」
そう言って渡したのはゼリーと薬。
再び「すみません…」と頭を下げるカズはゆっくりとゼリーを食べ始めた。
「……今日代わりにシフト入ってくれたんですよね、すみま……」
「あー、いいよ謝らなくて。特に用事なかったし」
水を入れてカズの元へと持っていけば、
ゼリーを食べる手が止まっていた。
その顔は少し気まずそうに。
「麗華が……すみませんでした。俺がもっと早くに気づいていればあんな事には……」
ああ、だから止まっていたのか。
どうやら俺の顔を見て思い出してしまったらしい。
……来ない方が良かったかもしれないな。
「お前は何も悪くないよ」
そんなカズの近くに腰を下ろす。
「だから気にしなくていい。」
「………………」
だけど、未だにカズの手は動かず
「………麗華は俺の妹なんです。」
ぽつりぽつりと話し始めた。