執事的な同居人
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「紀恵~帰ろ?」
「ごめん、勉強して帰るから先に帰ってて!」
今日からは放課後居残りをして勉強することに。
「なになに?今回すごくやる気じゃん」
「まあちょっとね……前回赤点取っちゃったし」
「ふぅん?じゃあ私達先帰るね~」
「うん。また明日ね~」
軽く手を振って、再び目線は机に。
(今日は英語しよっと)
まずはこの間颯太さんに教えてもらった所を復習してー…
「真面目だね~」
「…………………」
前の席に誰かが座ったかと思えば
「テスト勉強?」
「………そうだけど」
「ふぅん。」
私の勉強ノートを覗き込むこの男は
一緒にいると目立って仕方がない人で
「俺も勉強して帰ろっかな~」
「え、カイくん居残りするの!?」
「私も残る~!!」
「(あーもう…)」
1人で集中出来ると思って居残りしたというのに、カイが来てから何人もの女子が残り出したし…
いつの間にか帰ったはずの友達もいるし。
(……集中できない)
騒がしい教室を出て、図書室に移動。
(モテすぎるのも大変だなー…)
どこか同情してしまう。
私みたいな一般女子だと、こうやって場所を移動したとしても、ついてくる子なんていないし。
「ここ静かでいいね」
…………1人を除いては。
「……なんでついてくるのよ」
「石沢サンと喋りたいから」
私はコイツから逃げてきたというのに。
これじゃあ移動した意味が無い。