執事的な同居人
「いいえ?逆に嬉しいですよ。
こんな可愛らしい子と住めるなんて」
「え」
まさかの発言に、恋愛経験無しの私は簡単に赤くなる。
「これからよろしくお願いしますね。」
「はい………」
不覚にも、NOじゃなくYESと言ってしまった私。
その返事に島崎さんは嬉しそうに微笑んで。
「島崎颯太(シマザキソウタ)と言います。
どんな呼び方でも構いません。」
私に名刺を渡す。
それにはお父さんと同じ会社の名前と、島崎颯太という文字。
「ソウタ…さん?」
「はい。颯太です」
子供のような無邪気な笑みで笑うこの人と、
「紀恵(キエ)…です」
恋愛経験全く無しの私。
今日から少し不安な同居生活が始まります。