執事的な同居人






そして、





颯太さんのいない日々が過ぎていき、いよいよテスト期間へ。





カイとの勉強会が終わってからも家でちゃん勉強した。その成果が紛れもなく出たようで、







テスト返却日。そして、颯太さんが帰って来るその日でもある今日。






(………まじですか)






私の手元には、今までに見たことのない数字が書かれている解答用紙が。






全教科85点以上。






本当にこれは私の解答用紙かと何度確認したことか。何度名前を見ても" 石沢紀恵 "その名前が瞳に映る。





え、本気?ヤバくない?





(私ってやれば出来る子?)






喜びを超えてもはや無になった。けれども、この解答用紙を颯太さんに見せれば、きっと笑顔で「よく頑張りましたね」と褒めてくれそう気がしたから自然と口元がニヤける。




カイにこの解答用紙を見せに行けば「スゲーじゃん」っとその点数に驚いている様子。そんなカイは全教科95点以上だった。100という数字を何枚見たか。












(颯太さんは……まだ帰ってないか。)






家に帰ると、颯太さんの姿はまだない。




何時に帰って来るんだろう?

早く見て欲しいのに。




この点数だと同居は絶対に取り消されないし!





ニヤケながらもその解答用紙はリビングのテーブルの上に並べた。ここに置いておけば帰ってきてすぐ目に入るだろうし。






「ふぁ~…」






今まで頑張ってきたからか、急な睡魔に襲われて少し眠ることに。






起きた頃にはもう颯太さんはいるはず。



その時まで、少し寝てよう。






自分の部屋のベッドでスヤスヤと眠りに落ちる。







夢に出てきたのは颯太さんと私。



同じ家に住み、楽しそうに微笑みながら暮らしているその姿。







どうか、これが夢で終わりませんように…。


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