執事的な同居人
久々に顔を見た。
瞳いっぱいに映るのは、大好きな彼。
顔を見ただけなのに胸がキュンっとなる。
「紀恵……その人、誰…?」
震えるような声の友達。
怯えているとかそんなんじゃなくて、頬を赤めるその表情は彼の姿に見惚れているような。
「あっ…えと……」
……なんて言えばいいんだろう。
彼は今同居人ではなくて…
少し曖昧な関係性。
「………………」
説明しにくい状況の今
彼は私を引き寄せて
「っ!?」
額へ、キスをした。
えっ。まって、まって…!?
頭が追いつかないとはこの事を言うんだと知り
「────大切なお話があるんです。彼女の時間、僕がいただいてもいいですか?」
「ど…どうぞっ…!!!」
「わっ!!」
黄色い声と共に、友達は顔を真っ赤にさせていて
早く行けと言わんばかりに私の背中を押す。
そのため颯太さんの身体に
これでもかと密着する形になってしまい
その体制に颯太さんはクスリと笑った。
わ、笑い事じゃないって…!!
色んなことが突然に起こりすぎて
もう何がなんだか…