執事的な同居人





そんな中、ボゥッと颯太さんの顔を眺めてしまう。




……ううん。見惚れてる、に近いかも。



だって心の底から大好きな人が目の前にいて


綺麗なその瞳にはしっかり私が映ってて




彼の気持ちを

本当の気持ちを


やっと今知れたのだから……






「…もう、バカっ……」



やっと出せた言葉はそれ。






「遅いよっ…」



手が頬から離れないようにと、それに手を添える。






「ずっと…待ってたんだからっ…」



こうなる日を、ずっと。


ずっと、夢にみてた。




私の気持ちが

どうか彼に伝わりますように、と。




苦しいと思う気持ちを

その想いを拭えますように、と。







「颯太さんっ、おかえりっ…!」







やっと、私の所へ戻ってきてくれた。

< 342 / 422 >

この作品をシェア

pagetop