執事的な同居人
そんな中、ボゥッと颯太さんの顔を眺めてしまう。
……ううん。見惚れてる、に近いかも。
だって心の底から大好きな人が目の前にいて
綺麗なその瞳にはしっかり私が映ってて
彼の気持ちを
本当の気持ちを
やっと今知れたのだから……
「…もう、バカっ……」
やっと出せた言葉はそれ。
「遅いよっ…」
手が頬から離れないようにと、それに手を添える。
「ずっと…待ってたんだからっ…」
こうなる日を、ずっと。
ずっと、夢にみてた。
私の気持ちが
どうか彼に伝わりますように、と。
苦しいと思う気持ちを
その想いを拭えますように、と。
「颯太さんっ、おかえりっ…!」
やっと、私の所へ戻ってきてくれた。