執事的な同居人
「勘違いしないで下さい」
ドアを直視する私の肩を掴んで、くるりと回され向き合う状態にされる。
ふわり、またあの香り。
「これのどこが勘違いなわけ!?」
もうプンプン香るんですけど…!
その香りに顔を歪める私に対して、颯太さんはかすかに溜め息をつく。
「これだから女の人ってめんどくさいですね」
「っ!なっ…!」
アンタの方が相当めんどくさいっての!
その言葉にイラつきを覚え、言い返そうと口を開けた。
が。
「優しく接してやれば、すぐにコロッと落ちてくれる。
…簡単すぎて面白くもない」
「っ、」
ガラリと変わった雰囲気。
その雰囲気に背筋がゾクッと震えた。