執事的な同居人







「俺その人に負けずのイケメンなのになぁ」





確かにそれは否定しないけどさ…



ナルシスト発言にはもう慣れてしまって、「はいはい」と少し適当に頷きを加える。





「じゃあ私行くから。カイも用事済ませてきたら?」





早く職員室に入りなさいと促すようにそう伝える。



てゆーか早くぐちゃぐちゃにされたこの髪の毛を整えたい。





「うぃーす」




つまんねーっと言いたげな目をして職員室の扉に手をかけたカイ。




そして私も教室の方へと歩みを進め────





「あっ。そうそう、




石沢サンってホストクラブに通ってたりする?」




「…………、…は?」





まさかの発言に足が止まり、





「この間河川敷で見たんだよね。石沢サンがホストクラブで働く人と「カイ!!?」





慌ててカイの口を手で塞ぐ。



職員室のドア開いてるってば!!!


学校内では似合わなすぎるそのワード。
とゆーか禁句!!!





「ホストとか言わないで!」


「石沢サンも今言ったじゃん」


「っ!!!」


「君たち。職員室前で何をしてるんだ」





突如現れた先生に肩が跳ね上がり、





「な、なんでもありませんっ…!

カイ!ちょっと来て!!」


「え?俺先生に用事あるんだけど」


「いいから!!!」





カイの腕を掴み、たぶん聞かれてないであろう先生に「失礼します!」と頭を下げて逃げるようにその場から離れる。





(なんでカイが…!)





カズさんのことを知ってるの!?



カイの言葉からして確実カズさんの存在を知ってるような言い方だし、しかもホストクラブで働く人とも言ってたし…!

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