執事的な同居人

「どこで覚えてきたんだよ…そのおねだりの仕方。」





深く息を吐いたかと思うと


大好きな香りに癒されていた私は
颯太さんに肩を掴まれて引き離されてしまい、





「怒ってるよ、もちろん。嘘をつかれたこともホストクラブに行ったことも。……俺じゃない他の男の匂いをつけて帰ってくることもね。」





そう言うと、颯太さんは私の顎を上げキスをした。





「っ、んっ…」





その口づけは、私の唇を小刻みに食むように繰り返された。




甘さに情熱が加わって


苦しい…と思う隙も生まれないくらい


深い所まで、届いてくる。





「俺がどれだけ…あなたの事を愛おしく思っているか、ご存知でしょう？」





途中、言葉を続ける颯太さん。


その隙に呼吸を整えようとも、スグに塞がれて。





「ッ…はぁ…」





心に抱く愛情の強さを教え込むように


何度も舌を絡めとられる。






（力…入んないっ……）





初めてされることでもないというのに身体は追いつかず、力が抜けては足からカクンッと崩れ落ちる────前に。





「ひゃぁ…！」





不意に身体が宙に浮き、目線の高さが普段見ていた景色と変わる。





どうやら颯太さんに抱き上げられたらしい。