執事的な同居人
二日
「おかえりなさい」
「………ただいま」
学校が終わり、家に帰れば颯太さんがいた。
なんだろう。いつもは誰もいなかったから、途轍もなく違和感。
ああ、同居してるんだなぁ。ってちょっと実感する。
「颯太さん、今日仕事は?」
「もう終わりましたよ。
今日は午前まででしたし。」
仕事が終わったにもかかわらず、なぜかスーツ姿のままの颯太さん。
「……なんでまだスーツ姿?」
脱ぐのが面倒いとかそんな理由でかな。なんて思っていたが、
「ああ、これですか。
俺スーツしか服持ってないんです」
「え?それしか持ってないのっ!?」
「はい。スーツを何着か」
という理由らしい。
そんな人、初めてみた…。
キョトンとした顔を見せる颯太さんに、驚きを隠せない私。
スーツだけで過ごしていけるもんなんだ。
…いやいや、過ごしていけるとかそんなんじゃなくて。
さすがにスーツだけの人生はおかしいでしょ。