執事的な同居人
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「────えっ!結婚したの!?」
ある日の休日のこと。
久しぶりに集結した高校時代の友達が衝撃的な事実を打ち明けた。
「うん。そうなの~」
「うっそ!?」
「マジで!?」
驚きを隠せないのは私だけではなく、他2人も同じ反応を見せた。
彼女はとても幸せそうな表情を浮かべ、左手の薬指につけられた指輪を見つめながらそう言うのだから間違いない。
「全然知らなかった…」
「ごめんね~みんなには直接言いたくて」
その衝撃的な事実に
もちろん彼女は質問攻めにあうわけで。
「私の5歳年上で、今働いている職場で出会ったの」
大学や専門学校へ進学はせず、就職組として高校を卒業した彼女はとても優しい顔をして懐かしむように話始めた。
就職先で出会った彼とは先輩後輩の関係で、高校を卒業したばかりの彼女に優しく接してくれたことがキッカケとなり、彼女が先に好きになったそう。
好きになったらその人に一直線!
ってタイプのこの子。
彼に猛アプローチをした結果、彼も彼女に惹かれ付き合い、そして同棲し数年後の今結婚したという流れ。
「好きな人と結婚できるなんて、ほんと毎日が幸せ。」
この子から漂う幸せオーラに
私達3人もなんだか穏やかな気持ちに。
結婚っていいな。
そんな気持ちにもさせてくれる。
結婚すれば今以上に親密な関係になるわけで、
『誰かに取られる前に固い繋がりを結んでた方がいいって!』
その不安も拭えるのかな…と。
その日から私は『結婚』について考える日々が増えた。
結婚したら私達の関係に何かが変わるわけではないけれど、そうであってもその繋がりには惹かれてしまう。
今はまだ恋人同士でも、結婚すれば颯太さんは私のだって自信満々に言えるようになるんだよね?
既婚者にはさすがに手出ししずらい。
だから寄り付く人もいない。
そう聞いたんだもん。
(私って独占欲強いんだなぁ…)
やっと想いが通じあえて
またこうやって颯太さんの隣にいられてる。
この幸せを……もう二度と壊したくないから。