執事的な同居人
「嫌いもなにも…」
嫌いとか、そんなんじゃなくて…
腕の痛みに顔を歪める私。
それに気づいたのか、颯太さんは自然と力を緩めた気がした。
「そんなにホストって仕事がお嫌いですか?
…それとも、ホストで働く俺が嫌?」
「っ…………」
「黙っていたら分からない。」
私だって黙りたくて黙ってるんじゃないし。
ただ、どう言えばいいのか…
「嫌い…じゃない。」
「ふーん。
じゃあその態度は何?」
「うっ…」
「俺もそろそろ我慢の限界。」
スルッと手を離される。
掴まれていた部分がうっすらと赤く染まっていた。