執事的な同居人

「ごめん…なさい」




ポツリと呟くように言ったそれ。




小さい声だが
颯太さんにはちゃんと聞こえているようだった。




でも確実に悪いのは私。




仕事がホストだと聞いて
拒絶してしまったのは本当だ。




いろんな人を弄んで




そんな人に一瞬でもドキッとしてしまった自分が恥ずかしくて




私って男なら誰でもいいのかって思い知らされて




どう接せばいいのか分からなくなった。




…なんて颯太さんにとってはただの言い訳だと思う。





「…………」





颯太さんの目が見れなくて
俯く私。





「…まあでも。
勘違いさせてしまった事は、俺も悪いです。
すみません」



「………え？」





勘違いって、なに。




その言葉に私は自然と颯太さんを見ていた。




深々と頭を下げる颯太さん。
その姿にちょっとオロオロしてしまう。