執事的な同居人
薬あったかな~
なんてゴソゴソとあちこちを探し回ってみたものの
薬自体がどこにもなくて
奇跡的に冷えピタは一枚だけ残っていた。
39.1℃の高熱にも関わらず
しんどいとは感じなくて、ただ身体中が熱いだけみたいな。
体温計壊れてるのかな。
なんて思い始めた私は再度測りなおしてみても、変わらず高熱のまま。
「(お腹空いてないけど…)」
とりあえず食べてすぐ寝よう。
颯太さんに薬買ってきてもらおうと思ったものの、連絡手段が何もない事に気づき諦める。
メアドやLINEのID、電話番号も知らない。
ましてや今日は遅くなるみたいだし
結局意味はない。
「いただきます」
冷蔵庫から颯太さんが作ってもらったものを全て取り出して
温める物はレンジで温めてから用意。
ロールキャベツを作ってくれたんだけど、熱のせいか食べる気は全くしなかった。
サラダを少しでも多めにほうばって
ちょっとだけロールキャベツを口に入れる。
「っ……!」
だが、いきなり気分が悪くなりダッシュでトイレに向かうと全て吐き出してしまった。
「(あーもったいない…)」
マズくて吐いたのではなくて
多分食べ過ぎたのだろう。
ケホケホっ、とむせながら
嘔吐のしんどさにじわっと涙目になる。