執事的な同居人
「なんで、今日遅くなるって」
「時計見て下さい」
冷静にそう言われ
チラリと目線を時計に移す。
「3時……」
時計は午前3時をしめしていて
どうやら私はあれからずっと眠っていたみたいだ。
「さっき帰ってきた所です」
「そう、だったんだ…」
てことは
颯太さんが私をここまで運んできてくれて
そのあとからずっと見守っていた?事になるよね。
「……………」
そう思うともっと颯太さんの顔を見ることができなくて
仕事終わりで疲れているはずなのに。
お礼言わなきゃ。
「あの、えと、その」
昨日の事もありながら
なんだかさっきよりも微妙に気まずくなる私。
迷惑かけているのは自分でも理解しているけれど
昨日の今日だし…
「今の体調どうですか?」
「う、え?」
そんな私よりも先に声をかけてきたのは颯太さんで
「あ、うん、だいぶマシ…」
「そうですか。なら良かったです。薬が効いてきたみたいですね」
「薬?」
その言葉に疑問を覚えた。
私そんなの飲んだっけ。
いや飲んでないよ寝てたもん。
「飲ませたんですよ、あなたが寝ている間に。大変だったんですから。
寝ているにも関わらず嫌がるので強引に飲ませました」
「そうなんだ…ありがとう。」
でもどうやって?
まさか漫画のように口移しとかではないよね?
それこそ最大の疑問なのだが
念のため聞かずにいた方がいいかもしれない。