執事的な同居人





「今日、夜ご飯どうします?
何もないですし、俺が買ってきましょうか?」




冷蔵庫の中を覗く颯太さん。




「甘い物が食べたいな~」って顔に似合わない発言もしている。




「私も行きます」



「大丈夫ですよ、俺一人で。
帰ってきたばかりなんですから疲れているでしょうし」




颯太さんは財布をズボンの後ろポケットにしまう。




「いや、でも買いたい物とかあるし」



「言っていただければ買ってきますので。なんでも言って下さい」




はいっ、と渡された紙。




コレに書けってこと?




「え、まって本当に私も行く」




いやいや無理無理。
書けるわけない。




私が欲しいのはアレだよアレ!




女にとって必需品のアレ!
毎月きちゃうアレ!!




「?……そうですか?
じゃあ車用意してきますね。
ゆっくり出掛ける準備してて下さい」




不思議そうに目をパチクリさせて、颯太さんは部屋をでた。




ふぅっと、とりあえず落ち着く私。




さすがに会ってまだ2日しか経ってないのに、アレを買ってきてもらうのは恥ずかし過ぎる。




「くそう…なんでこんなときに限ってくるのさ……」




そのタイミングの悪さに恨む。


< 5 / 422 >

この作品をシェア

pagetop