執事的な同居人
「冷えピタぬるくなってますね」
颯太さんは私の額に手をあてて
ぬるくなった冷えピタをゆっくりとはずした。
「新しいのに変えますね」
「あ、うん。」
その冷えピタを綺麗に真四角に折りたたんでいるのを見て
私はフッと笑ってしまう。
颯太さんって案外几帳面なんだな。
「やっと笑顔を見せましたね」
ジッと私を見る颯太さんの目は
さっきとは違った優しさを持っていた。
「え?…別にこれ笑顔じゃないし」
「これが俗に言うツンデレってやつですか」
「うっさい」
「まあ良かったです。」
口角を少しあげて微笑む颯太さんの手が私の頭に触れて
「元気になったようで」
くしゃりと撫でた。