執事的な同居人
「え、っえ?なんで…」
どこ探してもいなかったのに
目を大きく見開かせる私の隣を通り過ぎた彼は
洗面所に行くとそのカゴを置く。
「なんでって、洗濯物を干してましたよ?」
「もしかしてベランダにいたの?」
「そうですよ」
ベランダ…そこまでは見ていなかった。
しかもちょうどカーテン閉めているし、見えないわけだ。
「仕事は?」
「今日は休みです」
「ほんと!?」
あ。しまった…
つい大きな声で反応してしまった私が恥ずかしい。
仕事が休みだからって、なんでこんなに嬉しくなるんだろ
そんな私に颯太さんも驚いた表情を見せて
「どうしたんですか?急に」
ふっ、と優しい笑みを浮かべた。
「今日はヤケに元気ですね。
良かったです。回復したみたいで」
そうして余った洗濯物をまたカゴに入れて、私の隣を通り過ぎる際に
ポンポン、と優しく私の頭を叩く。