執事的な同居人
苦手
「す、凄い……」
初めて見たパエリアと言う料理に、目が輝く。
一瞬で完成したそれは本当に美味しそうで
つまみ食いしそうになってしまったが
「まだダメですよ」
もう一品作り始めた颯太さんによって止められる。
「(やっぱりこの人なんでも出来る…)」
ホストとか辞めて料理人でもなれば良かったのに。
そう思ってしまう程、豪華な出来栄え。
「お待たせ致しました。さて、食べましょうか」
もう一品も完成したらしく、それもテーブルの上へと置かれる。
「(昼ご飯がこんなに豪華でいいのか)」
目の前に広がる豪華な食卓に、私は再び目を輝かせた。
「美味しいですか?」
「うん、美味しい…!」
「なら良かったです」
初めて食べたパエリアとか言う料理は、私好みの味付けで凄く美味しかった。
もしかして私の好きな物ばかりを入れてくれたのかもしれない。
ふと、そう思ったけれど
何も言わず、優しい笑みを浮かばせながら私を見つめる彼に
私はなんだか恥ずかしくなって俯いた。