執事的な同居人
「薬、飲んで下さい」
「あ、うん、ありがとう…」
手渡された薬を受け取り、コップに水を注ぐ颯太さんを気まずそうに見つめる。
(さっきの顔…あれが怒った時の顔なんだ)
本音を言うと凄く怖かった。
この人を怒らせるとヤバイかもしれない。
(……でも付き合った事あるか聞いただけで、そこまで怒る事?)
過去に、何かあったとか。
それしか考えられない。
薬を飲み終えると、私はテレビをつけてソファーに座る。
(…いや、でもさ。聞いただけなのに怒る事ないじゃん。しつこかったかもしれないけど、教えてくれたっていいのに)
逆ギレ、ってやつかもしれない。
そう隠されると気になるし、教えてほしくなる。
(一緒に住んでるんだから隠し事は無しにしたいのにな)
颯太さんの事、まだ全然知らないんだな。っと少しさみしくなった。