執事的な同居人
「お母さん颯太さんの事知ってるんだ」
不思議に思ってそう聞いたのに、お母さんは驚いた表情を見せた。
「紀恵、覚えてないの?」
「え?」
覚えて…ない?
なんの話をしているの?
意味が分からなくて眉根を寄せて考えていたら
「紀恵がまだ幼い頃の話だ。覚えてないだろ」
お父さんまで言っている事が良く分からなかった。
「そうね…あれは何歳の頃かしら」
「ちょっと待って。なに?なんの話?」
幼い頃の話だとか、お母さんが颯太さんの事を知っている事とか、全く理解できていない。
そんな私に、お母さんとお父さんが困ったように目を合わせると、
お母さんは突然タンスの中からアルバムを取り出し、一枚の写真を私に渡した。
「?」
その写真を手にとり、眺める。