執事的な同居人







「…送った覚えないんだけど」




その画面に目を疑う私だが、




「ミスって送ったのか知らねーけど、傷ついたのは事実だから」




昨日の爽やかな笑顔はどこにいったのか




「っ………」




もの凄い真剣な表情で見つめられて私はパッと目を逸らしてしまう。




…本当に送った覚えないのに。




(多分知らぬ間に押してしまったんだろうな~)




なんて思っていた時、突如王子に肩を押されて


「何!?」と驚いたのもつかの間。




背中に何やら硬い物が触れると、それが壁なんだという事はすぐに理解できた。




左側に見える王子の腕。


目の前には王子の綺麗に整った顔。




「どうやって癒してくれる?」

「………は?」




意味が分からないとでも言いたげな表情を浮かべてみれば




左側にあった腕を曲げて


より一層近づいてきた王子。




「…なに癒しって」

「あのスタンプ相当傷ついたんだけどな~」




ニコッと元の爽やか王子へと戻った彼に溜め息をつく私。


< 90 / 422 >

この作品をシェア

pagetop