センセイ
それから城内はわたしたち1年に
文化祭までの流れを簡単に
説明してくれて解散になった
ちょっとだけ、残念だな
なんて思ってしまった
「じゃあ気をつけて帰れよ。」
「さよならー。」
帰りたくないな
足が重たく感じた
「行こ、未花。」
「あ、うん!」
那奈に言われて
小会議室から出ようとした
その時
「しーまーだっ」
「先生。」
振り返ってみたら城内は
にこっと笑って近づいて来た
「お前、覚悟しとけよー。」
「まじ……?」
「まじ。頑張ろうな。」
「ちょ…」
言い返そうとしたのに
頭にぽんっと手が乗せられて
髪をくしゃくしゃってされて…
「じゃあな。」
城内は出ていってしまった
顔が熱くなるのと同時に
胸いっぱいがぎゅうって
掴まれたような気持ちになった