今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄

 羽の花火が夜空にキラキラと輝いて、すぅっと消えていく。

 え…。

「隣の猫、ベランダに(くる)まってたの、ほんとうはお前に構って欲しかったからかもしれない」
「飼い主に鳴いたんじゃなくてお前に鳴いたのかもしれない」

「昨日はカラオケ店まで辿り着けた」
「今日はコンビニで卵を買うことが出来た」

「少しずつ進んでいけばいい」

黒図(くろず)、お前はあの羽の花火みたいに輝ける」
「どこまでも飛んでいける」

 相可(おおか)くん…。

 わたしの両目がじわりと潤む。
「でも永遠じゃない」
「輝いて消えてしまう」

「雪の羽だから?」

「え」
 わたしはびっくりする。
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