今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
「――全員クジ引いたな。じゃあ席移動」
池田先生が言うとみんな席を移動し始める。
フックに鞄がかかったグリーンの机。
教科書の束や体育館シューズが入った袋が置かれた後ろのロッカー。
すぐ近くには後ろの白いドア。
わたしの顔が暗くなる。
最悪だ…。
寒い日陰の席になってしまった…。
雪を受け取れたくらいで『…いいことあるといいな』って呟いた自分が恥ずかしい。
「…だよね」
誰にも聞こえない弱弱しい声で呟く。
現実は甘くない。
雪を受け取れても、いいことなんて起きるはずがない。