今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄

 え…この声は…。

 窓の外で、ふわふわの雪が降る。

 え、え…相可(おおか)くん?
 話しかけてくれて、しかも“黒図(くろず)”って…。

 相可(おおか)くんに苗字呼ばれちゃった…。
 知っててくれてたんだ…。
 嘘…、こんなことってあるの?

 わたしの視界がぼやけ、みるみる内に光が浮かびきらきらと揺れる。
 雪は降り積もっていく。

 眉が下がり、わたしは震えながらも両手で自分の口を押える。

 ねぇ、どうして?
 ずっと諦めてたのに。

「おい、しゃがんでどうした…」

 ぽろぽろ、と涙が零れ落ちていく。
 その涙は、今までとは違って、一粒ずつキラキラと輝いている。

 わたしは涙を(こぼ)しながらふわっと笑う。
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