今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄

 耳元に響く低くて甘い声。

 わたしは飛び起き、ぎゅうっと白色のスマホを握り締める。

 相可(おおか)くん?
 え…なんで…。

『何も言わなくていいから』
『今から俺が言うことちゃんと聞いとけよ』

 え?

 ドキン、ドキンとわたしの胸が高鳴る。

『何休んでんだよ』

 え…。

 わたしは右耳にスマホを当てたまま固まる。

『前、言ったよな?』
『構うよって。黒図(くろず)が隣の席だからって』

 わたしは動揺する。

 そんなこと言われたって…。
 好きでこんな弱く生まれたんじゃないのに。

 ぐっとスマホを持つわたしの右手に力が入る。

「…たい」

『は?』
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