今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
目が合い、わたしの頬が熱くなって泣きそうになる。
ベランダの手摺りを掴みながら下を見ると、相可くんがいた。
相可くんは黒色のダッフルコートを羽織っていて、
相可くんの足の周りを隣の猫が尻尾を立てて、くるくると回ってじゃれている。
わたしは震えた手でスマホを持ち、耳に当てたまま声を絞り出す。
「なんで…」
『池田から家の住所聞いた』
『会えたな』
相可くん…。
わたしの両目が潤む。
『黒図』
『何の為に隣になったんだ』