今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
「違うよ」
「友達として好きなだけだよ」
「だから大丈夫」
わたしがそう答えると、姫乃ちゃんは、あはっ、と笑う。
「…雪羽ってほんと、“昔の自分”に似てる」
え…。
わたしは動揺する。
「昔の自分?」
「うん…」
窓の外で霧雨が降り出した。
姫乃ちゃんは目線を逸らした後、わたしを真っ直ぐ見据え直す。
「私もね、中2の時」
「銀に『友達として好きなだけ』って言ったの」
姫乃ちゃんは過去をゆっくりと話し始めた……。