今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
「――15位。男子は終わりだな。女子集まれ」
日向先生がそう言うと、女の子達が移動し始める。
いよいよだ…。
ドクンドクンドクンドクン。
心臓の音が大きくなっていく。
日向先生が駆けてきた。
「黒図」
「はい」
「お前はマラソン見学でいいからな」
わたしの顔が曇る。
「え?」
「池田先生から『マラソンを見学させるように』と黒図のお母さんから連絡をもらったことを聞いた」
わたしはぎゅっと自分の手を握り締める。
お母さん、やっぱり連絡したんだ…。