今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
相可くんと挨拶出来ただけで嬉しい。
でも…。
「…パーカー貸してくれて、ありがとう」
「あぁ」
相可くんは机に伏せ寝するのをやめ、黒のパーカーが入った紙袋を受け取る。
「隣座らねぇの?」
相可くんは優しい声で尋ねてきた。
座りたい。
だけど、わたしはもう、相可くん の隣の席じゃない。
ゆらゆらと揺れる鞄の林檎のストラップ。
「雪羽ちゃん、やっと復活したんだ」
春花ちゃんが左肩にチョコレート色の鞄をかけながら歩いてくる。
「春花ちゃん…」
わたしは春花ちゃんの左肩の鞄を見る。