今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
「心配しなくても大丈夫だよ」
「私の席、真ん中の3番目の席のままだから」
わたしは唖然とする。
え………。
「なん…で…?」
「…あんな命懸けで走られたら認めるしかないじゃん」
春花ちゃんは悔しそうな表情でボソッと言う。
「え? 今なんて…」
春花ちゃんが耳元に唇を近づけてくる。
「…マラソンの勝負、私の負けだから」
え、負けって…。
春花ちゃんは自分の席まで歩いて行く。
相可くんの隣の席守れなかったって思ってたのに――――。