今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄


雪羽(ゆきは)、遅いから心配したわよ」
 キッチンで向かいの椅子に座っているお母さんが話しかけてきた。

「昨日はコートに猫の毛いっぱいつけて帰ってくるし…」

 お母さんは、はぁ、と深く息を吐く。
「隣の猫が可哀相なのは分かるけど、もう触っちゃだめよ」

「うん、ごめんなさい…」

 わたしは焼き目が兎の顔になった朝食のホットサンドをかじる。

 あ…ホットサンド冷たい。
 コーンスープも冷めちゃった。

 お母さんが心配そうな表情を浮かべる。
雪羽(ゆきは)、今日調子悪そうね」
「終業式だけだから休んだら?」

 わたしは、へらっと力なく笑う。
「お母さん、大丈夫」
「わたし、高校行くから」
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