今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
「それで黒図ちゃん、どうする?」
林崎くんがもう一度尋ねてきた。
相可くんに、
――黒図、来いよ。
なんて言われたら行くしかない。
「行きます」
ガタッ。
わたしも席から立ち上がり、灰色のダッフルコートを羽織ってふわふわのマフラーを首に巻き、鞄を右肩にかける。
林崎くんは、ふっ、と笑い、わたしの頭をサラサラと撫でる。
「じゃあ行こうか」
わたしは林崎くん達と一緒に歩き、後ろの扉に向かって一歩足を前に踏み出した。