今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
『分かりました』
『気をつけて帰っておいで』
お母さんからトークが返ってきた。
「あの」
わたしは相可くん達に呼びかけ、ペコッと軽く頭を下げる。
「え」
「黒図ちゃん、急にどうした?」
茨さんに続けて林崎くんが尋ねてきた。
「みんな、ごめんなさい」
「用事が出来たので帰ります」
わたしは鞄を右肩にかけたまま、
――――タッ!!
「ええ!?」
「黒図ちゃん!」
茨さんと林崎くんの叫び声が後ろから聞こえる中、一人走ってカラオケ店から出て行く。