今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄

「怖っ、マジな顔すんなよ」
「はいはい、放しますよ」
 金髪ヤンキーはパッと腕から手を離すと立ち上がる。

 そして相可(おおか)くんの肩をぽんっと叩き、耳元で囁く。

「今日は(ぎん)と久しぶりに会えて良かったよ」
「また今度じっくり話しようぜ、(ぎん)。じゃあな」

 金髪ヤンキーは背を向けたまま歩いて行った。

「おい、黒図(くろず)、大丈夫か?」
 相可(おおか)くんが隣にしゃがみ、心配そうな表情で尋ねてきた。

「うん、大丈夫」
「あ、ありがとう」

 相可(おおか)くんは、はぁ、と安堵のため息をつく。
「こんな夜道を一人で歩いてんじゃねぇよ」
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