あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
想像していた通り、新しいクラスはとても過ごしやすかった。

それから一週間もしないうちに、結人くんと遥が話しているのを見かけた。

まあ、席が前後だったら必然的に話すことにはなるかもしれないけど。

私からすると面白い組み合わせだけど、意外と合ってるかもなぁと思った。

『伊南くんと大野くんが一緒にいるのって、なんか絵になるよね〜」

『ほんと!最強の二人って感じ!二人ともイケメンで目の保養になるわ~』

そんなふうに同じクラスの子が話している声をちらほら聞く。

でもそれは同感。タイプの違ったかっこよさが二人からは感じられる。


休み時間、いつものように澪とお弁当を食べていた。

「ねえ奈央。伊南王子って、あんなにかっこよくて告白されまくってるのに、なんで彼女つくらないんだろ?転校生だし、なんかワケありなのかな?」

「ワケありは絶対にないよ。でもまあ、彼女がいないのはたしかに不思議ではあるよね……」

「ね!奈央も気になるでしょ?」

……正直、彼女がいないのは私も疑問に思ってた。告白されるなんて日常茶飯事なのに。

でも、遥に彼女ができてしまったら私はたぶん……

想像するだけでも辛い気持ちになる。……でもそれはどうして?
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