あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
七年間の空白
その日の昼休み。昼食を食べ終え眠気を感じ始めたころ、後ろから両肩をバシッと強く叩かれ一気に目が覚める。

「びっくりしたー。なによ澪」

「さあ奈央!待ちに待った転校生を見に行くよ!ラッキーなことに隣のクラスだから」

相当気合が入っているのか、いつもに増して目がキラキラしている。

「待ってないし私はいいって。そういうの興味ないから。クラスが隣なら一人で行ってきなよ」

なんて話してる最中にはすでにイスから立たされ、私は教室をしぶしぶ歩いていた。

「つべこべ言ってないでこういうのは流れに乗って行くの!」

澪は全く聞く耳を持たない。


腕を引っ張られ半ば強引に連れてこられた二組の前は人だかりで溢れていた。

みんな話題の転校生を見に来たんだと思う。
< 12 / 210 >

この作品をシェア

pagetop