あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
それにしても、澪はやっぱり情報の調達が早い。校内の流行りや噂話で澪が知らないことはないんじゃないかと思う。
私はいつだって知らないことだらけだ。むしろ知ってることの方が少ないと思う。
「そうだったんだ。結人くんと伊南くん仲良いもんね」
「でもさー、伊南王子だったらどんなものでも貸したくなるよねー」
澪の言いたいことはよくわかる。
メガネとかタオルとかボールペンとか、お題がなにかはわからないけど、みんなの王子様である遥が一生懸命探す姿を見たら誰でも手を貸したくなるだろう。
「伊南くんはファンが多いからね。探し物もきっとすぐに貸してもらえるよ」
「ほんっと!だからこそ彼女いないのが気になるんだよね」
「……うん。たしかに不思議だよね」
あの日の約束を思い出しそうになって、すぐにやめた。
……まさか。そんなことあるわけないんだから。
私は早速、最初のほうにある種目の「玉入れ」に出場していた。
いまいち盛り上がりに欠けるから最初のほうに設定してあるんだろう。それに人が多すぎて誰が活躍しているのかもわからないから、面白さにも欠ける。
玉を一つ一つ数えるのにも時間がかかるし、非効率的な種目だと思う。
たった四つカゴに玉を入れたところで終了の笛が鳴った。玉をカゴに入れた数よりも、誰かの投げた玉が私の頭を直撃した数の方が圧倒的に多かったと思う。
……全力でやってこれだ。まぁ始まる前からわかっていたことだけどね。
私はいつだって知らないことだらけだ。むしろ知ってることの方が少ないと思う。
「そうだったんだ。結人くんと伊南くん仲良いもんね」
「でもさー、伊南王子だったらどんなものでも貸したくなるよねー」
澪の言いたいことはよくわかる。
メガネとかタオルとかボールペンとか、お題がなにかはわからないけど、みんなの王子様である遥が一生懸命探す姿を見たら誰でも手を貸したくなるだろう。
「伊南くんはファンが多いからね。探し物もきっとすぐに貸してもらえるよ」
「ほんっと!だからこそ彼女いないのが気になるんだよね」
「……うん。たしかに不思議だよね」
あの日の約束を思い出しそうになって、すぐにやめた。
……まさか。そんなことあるわけないんだから。
私は早速、最初のほうにある種目の「玉入れ」に出場していた。
いまいち盛り上がりに欠けるから最初のほうに設定してあるんだろう。それに人が多すぎて誰が活躍しているのかもわからないから、面白さにも欠ける。
玉を一つ一つ数えるのにも時間がかかるし、非効率的な種目だと思う。
たった四つカゴに玉を入れたところで終了の笛が鳴った。玉をカゴに入れた数よりも、誰かの投げた玉が私の頭を直撃した数の方が圧倒的に多かったと思う。
……全力でやってこれだ。まぁ始まる前からわかっていたことだけどね。