あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
「勝負事はなんとしてでも勝ちたい性分なんだ。助かったよ」
顔を上げると、遥は昔と変わらずはにかんだ笑顔を向けていた。
私の大好きだった笑顔。
まだ文句の一つや二つ言おうと思ってたけど、そんな顔されたら、これ以上の文句なんて言えないじゃんか。
「……それで、お題はなんだったの?」
肝心の質問を遥にした。
「えっ?」
「『えっ?』じゃないよ。うまく誤魔化さないでよね。紙に書かれたお題」
「あー、お題ね。お題は『昔からの知り合い』」
「……昔からの知り合い?」
「うん。昔からの知り合いって言われると、奈央くらいしか思い浮かばなくてさ」
「あぁ……そっか」
遥が迷わず私の方へ走ってきたのも納得ができた。
「もっと借り放題のお題だったらよかったのにな。くじ運悪いわ、俺」
「変わったお題が入ってるんだね」
「ほんと、誰がこんなん作ったんだよ」
「新種目だったから、作った人も気合い入れたのかな?……昔からの知り合いじゃ、私しか思いつかないよね」
「奈央は唯一の幼なじみだからな」
私の肩に手をポンと置いて、遥はそう言った。
……幼なじみ
「……そう、だよね」
幼なじみ、という言葉を何度も頭で繰り返しては、肩を落としてなぜかがっかりしている自分がいた。
……私は遥に、どんな答えを期待してたんだろう。
「奈央?」
心配そうに顔をのぞく遥に、
「……なんでもないよ」
いつもの調子で笑ってそう答えた。
顔を上げると、遥は昔と変わらずはにかんだ笑顔を向けていた。
私の大好きだった笑顔。
まだ文句の一つや二つ言おうと思ってたけど、そんな顔されたら、これ以上の文句なんて言えないじゃんか。
「……それで、お題はなんだったの?」
肝心の質問を遥にした。
「えっ?」
「『えっ?』じゃないよ。うまく誤魔化さないでよね。紙に書かれたお題」
「あー、お題ね。お題は『昔からの知り合い』」
「……昔からの知り合い?」
「うん。昔からの知り合いって言われると、奈央くらいしか思い浮かばなくてさ」
「あぁ……そっか」
遥が迷わず私の方へ走ってきたのも納得ができた。
「もっと借り放題のお題だったらよかったのにな。くじ運悪いわ、俺」
「変わったお題が入ってるんだね」
「ほんと、誰がこんなん作ったんだよ」
「新種目だったから、作った人も気合い入れたのかな?……昔からの知り合いじゃ、私しか思いつかないよね」
「奈央は唯一の幼なじみだからな」
私の肩に手をポンと置いて、遥はそう言った。
……幼なじみ
「……そう、だよね」
幼なじみ、という言葉を何度も頭で繰り返しては、肩を落としてなぜかがっかりしている自分がいた。
……私は遥に、どんな答えを期待してたんだろう。
「奈央?」
心配そうに顔をのぞく遥に、
「……なんでもないよ」
いつもの調子で笑ってそう答えた。