あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
ふと視線を下に向けたとき、遥の制服のズボンポケットから飛び出しているストラップが目に入ってきた。
緑色の変なキャラクター。私と色違いのあのストラップ
「……ずっと聞きたかったんだけどさ、そのストラップ、いつまで付けてるの?」
前々から気になっていた疑問を、この際だからと聞いてみた。
「奈央はこのストラップ、なくしちゃった?」
質問したのに、逆に質問される。
「なくすわけないよ。ずっとスマホに付けてたんだけど、結人くんと付き合い始めてからさすがに外したんだ。今は大切にしまってあるよ」
「そっか、なくしたんだと勝手に思ってたからよかった」
「遥は外さないの?」
「奈央と俺の唯一おそろいのものだから、大事にしてるんだ」
なんて返せばいいのかわからなかった。遥はスマホをポッケから取りだし、ストラップを手のひらで見つめていた。
なにそれ……
今それ言わないでよ。私には、彼氏がいるんだよ。
「……なーんてな、嘘だよ。そんな怖い顔すんな。じゃ、俺先帰るな」
「えっ?ちょっと遥」
「大野が迎えに来るんだろ?いつまでもここにいれないよ」
「……そう、だけどさ」
「また明日な、奈央」
遥はいつもの様子で手を振って、教室を出ていった。
結局、遥が本気で言ったのか冗談で言ったのかはわからなかった。
緑色の変なキャラクター。私と色違いのあのストラップ
「……ずっと聞きたかったんだけどさ、そのストラップ、いつまで付けてるの?」
前々から気になっていた疑問を、この際だからと聞いてみた。
「奈央はこのストラップ、なくしちゃった?」
質問したのに、逆に質問される。
「なくすわけないよ。ずっとスマホに付けてたんだけど、結人くんと付き合い始めてからさすがに外したんだ。今は大切にしまってあるよ」
「そっか、なくしたんだと勝手に思ってたからよかった」
「遥は外さないの?」
「奈央と俺の唯一おそろいのものだから、大事にしてるんだ」
なんて返せばいいのかわからなかった。遥はスマホをポッケから取りだし、ストラップを手のひらで見つめていた。
なにそれ……
今それ言わないでよ。私には、彼氏がいるんだよ。
「……なーんてな、嘘だよ。そんな怖い顔すんな。じゃ、俺先帰るな」
「えっ?ちょっと遥」
「大野が迎えに来るんだろ?いつまでもここにいれないよ」
「……そう、だけどさ」
「また明日な、奈央」
遥はいつもの様子で手を振って、教室を出ていった。
結局、遥が本気で言ったのか冗談で言ったのかはわからなかった。