あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
「奈央がいいんだったらいいんじゃない?」

「……それってどういう意味?」

次の日の朝、結人くんに話してみるとこう言われた。

「とりあえず、俺は全然行くよ。遊園地も好きだしね」

「……うん、ありがとう。彩月にはそう伝えておくね」

最初に言われた『奈央がいいんだったら』という言葉が引っかかったけど、ノリの良い結人くんは来てくれるみたい。


帰りのホームルームのあと、遥にも話しかけた。

前までは周りの目が気になって、こんな大胆なことはできなかった。

でも体育祭の借り物競争をきっかけに、「幼なじみ」ということが知れ渡り、ある意味接しやすくなった。

周りの子たちも、彼氏持ちだし「幼なじみ」だったら仕方ない、という目で見てくれてるみたい。

嫌味を言われることも特にない。

「遥、ちょっと聞いてほしいことがあって」

遥に事の経緯を説明すると、

「楽しそうじゃん、俺はいいよ」

意外にもあっさりと受け入れてくれた。


テストが終わり、再開した部活でそのことを彩月に伝えると、もともと丸い目をさらに大きくしていた。
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