あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
澪とお昼を食べた後、外の集合場所のテントに向かった。

午後からは文化祭実行委員の仕事で、学校の門の前で一般のお客さんにビラ配りをしなければならない。

九月初旬。まだ夏のような日差しが照りつけている。

「じゃあ平田、これお願いね」

「……はい」

こんなにたくさん……。素直に受け取ったものの、先生に渡されたチラシは辞典ぐらいの厚さがあった。

この暑さの中ではかなりきつい仕事に思えた。


……文句を言ってないでちゃっちゃと終わらせよう。

一般のお客さんはたくさん来ていたのでチラシは確実に減っていってる。順調に進んではいるけれど、あと半数はありそうだ。


……それにしても暑いなぁ。

汗で前髪がおでこに張り付いて、ポケットから取り出したハンカチで汗を拭う。


それに、暑さのせいか寝不足からか視界が時々揺れる。心なしか、足元がおぼつかないような気もする。

テントで少し水分補給をしようと足を進めたとき、急にグラっときて倒れ込んでしまった。

そのまま視界が暗くなって、意識が遠のいていくのがわかった。


駆け寄ってくる足音が聞こえて、誰かが私の名前を呼んでいる。

先生……?なんだか聞いたことのある声……
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